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09/12/2008

メルズーガにきた。

メルズーガはサハラ砂漠の西端。砂漠というと、さらさらした砂の丘が広がる風景を想像しがちですが、
砂漠というかdesertとは、不毛の大地のことでもあります。地平線まで広がる岩石地帯の砂漠を抜け、
想像しているさらさらしている砂の砂漠まできました。


そもそもここまで来るの大変でした。。。


マドリッドからバスで8時間かけて、スペインの南端、アルヘシラスまで来て、そこからフェリーで2時間。
モロッコの北端、タンジェへ到着。移動ですげぇ疲れてたけど、もしマラケシュ行きの夜行バスがあるなら
乗っちまえと思って、長距離バス乗り場へ。しかしそこで、マラケシュ行きのバスは数日満席と言われ、
なんで?と聞き返すとモロッコは今ホリデー(犠牲祭だったらしい)と言われ、じゃぁ他の街へ行くバスは?
って聞くとすべて数日満席。。。ヤバイ。。。でも電車なら乗れるというので翌朝行くことにした。


夜10:30、雨が激しさを増す中安宿さがし。翌日もしかしたらスペインにとんぼ返りか?なんて思いながら
夜道を歩く。。。


翌日駅へ。どうやら2等席は指定席ではないので乗れるということだったらしい。なんとか座ることにも成功。
カサブランカで乗り換え合計10時間。ようやくマラケシュ到着。その足でマラケシュのバス停へ。砂漠の町
マアミドへ行くバスはあるのか聞きに行く。しかしやはりすべて数日満席。。。ヤバイ。。。何しに来たんだ。。。
(この先は電車がない。)


レンタカーという手もあったが、街は休日の車で大渋滞。運転したくねぇ。


どうすっかなぁなんて思って、その日はマラケシュに1泊。


しかし翌日、宿の前で声掛けてきた怪しげなおっさんが車で連れて行ってやると言ってきた。

モロッコは非公認悪質ガイドがたくさんいる。怪しすぎる。。。っとはいえ、このおっさんに頼って
砂漠を目指すか、砂漠はあきらめるか。結局怪しすぎるけど、ボラれまくるかもしれないけど、
おっさんに任せることにした。
(結果多少割高でしたが、かなり人のいいおっさんでした。)


そして2日後、なんとか砂漠の街メルズーガに到着(マアミドではなメルズーガへ)。アラブ最後は砂漠で
締めくくることができました。



静寂に包まれる砂漠。音のない世界の恐怖。普段自分が様々な音に囲まれていることがよくわかる。



その日は砂漠の遊牧民ベルベル人のテントに泊まらせてもらう。夜、突如強風に見舞われさらに恐怖。
音のない世界で風だけがうなりをあげる。まるでこの世の終わりを告げるかのような風。恐ろしき砂漠。

しかし翌朝は風も止み、砂漠で日の出を拝めました。





なにはともあれ、これで2か月に及ぶイスラム世界が終わりです。

トルコに始まり、シリア、ヨルダン、イスラエル(エルサレムはアラブ人多い)、エジプト、モロッコ。
本当はイランにも行きたかったけど、航空券が高すぎたためあきらめました。

まず思うこと・・・


めんどくせっ!!


まずトイレ。紙を流すのはNG。トイレの横にある箱というか籠に紙は捨てる。慣れるまで流しちゃった後で
ヤベッと思う。つまってしまうため紙は流しちゃダメなんです。
ちなみに現地人は水でケツを流しながら左手で拭きます。左手は不浄の手。握手をしたりするのはNG。
もしかしたらウォシュレットはイスラム世界から来たのかも。


次に思うこと・・・

めんどい!!

何か買うとき、いちいち交渉が必要。


「これいくら?」
「500。」
「アホか!高ぇよ!」
「じゃぁいくらなら買う?」
「100。」
「それは安すぎる。200でどうだ?」
「じゃぁいらない。バイバイ。」
「わかった。120でどうだ?」
「向こうの店で100だったぞ?じゃぁね。」
「わかった。110!これが最後だ!」
「ハイ、さようなら。」
「・・・100でいいよ。」
「最初からそういえばいいんだよ。」



っていう会話が毎回延々繰り返されるわけです。時には10倍以上ふっかけてきます。
もちろん、値札をつけている店もありますが、ほとんど言い値。いいかげんウザい。
最初に相場を調べるのも、めんどくさいわけです。



次、

めんどくさ!!っじゃなくてなんだ?ウゼェッ!?

1日5回の決まった時間に流れるアザーン。
(お祈りをすることを告げるアナウンスというか歌。)
早朝から大音量が街に響き渡る。慣れるまで毎朝5:30くらいに起こされる。
(寝ぼけているため時間は定かではありません)
あんな時間に祈ってる人いんの?って思ってしまう。



っとまぁあげればキリがないんですが、要は日本の日常とはかけ離れているわけです。

(どれもアラブ世界に限ることではありませんが。)



でも嫌なことばかりではありません。たくさんの親切な人にも会いました。

道を聞けば丁寧に、そして自信たっぷりに教えてもらったり(自信たっぷりなのに、たまに間違っている)、
案内してもらったり、お金払ってまで案内してくれる人もいたし(入場料等)、チャイご馳走になったり・・・

これもあげればキリがないほど、多くの人に助けられました。



日本に住んでいると、どうしてもアメリカ寄りの報道を、しかも大抵は悪いニュースを、一方的に受け止め、
それ以外のことはたいして調べもせず、あたかもそれがすべてであるかのような錯覚に陥り、
あまりイメージのよくないイスラム。

実際旅に出る前、「中東にも行くと思うよ」って言うと、まず「大丈夫?」って答えが返ってきた。

確かに危険な地域もあります。でもすべてがそういうわけではありません。一部の過激派の行動をイスラムの
イメージと結びつけてしまいがちの日本人と、そう導いてしまう報道はどうなんだろうって思う。
過激派なんてほかの宗教にもいるし。実際アメリカなんて・・・まぁいいや・・・。



イスラムの聖典コーランにこんな一節があります。

”訪問者に親切にしなければならない”

(見知らぬ人や旅行者を客として迎え、不自由のないように、もてなさなければならない
という、こんな感じの意味)



実際これほど一般の人(観光業に従事していない人)に親切にしてもらったことは、この旅で
ありませんでした。きっと、今はテロリストの巣窟となってしまった国でも、一般の人は優しいんだろうなぁ
なんて想像してしまう。そんな人たちが穏やかに暮らせる世界になってほしいし、
オレにはなにができるんだろうって思う。


よくも悪くも刺激的なアラブ。アラブ人の優しさとウザさに触れて、やっとこさ南米へ向かいます。

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