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26/11/2008

アブ・シンベルにきた。

アブ・シンベルは、スーダンとの国境まであとわずかの、エジプト最南端の見どころ。
そこにあるアブ・シンベル神殿は、アスワンハイダム建設時に神殿が水没の危機にさらされ、
ユネスコが国際キャンペーンによって救済した。
世界中から資金や技術を集め、神殿を1036個のブロックに分割し、元の位置から60m上に移転された神殿。

そしてこのキャンペーンがきっかけとなり、人類の貴重な文化遺産や自然遺産を保護しようという機運が高まり、
1972年に世界遺産条約が採択されたという歴史を持つ。


ラメセス2世によって建てられてたこの神殿。ラメセス2世の巨大な座像や立像を見ていると、
その大きさに圧倒され、またその権力にも驚かされ、
そして自分の像ばっか造って、何てナルシストというか自己顕示欲が強いというか、
目立ちたがり屋なんだと溜息が出てしまう。



そしてこの神殿を昼に訪れ、夜も音と光のショーを堪能し1泊。
翌朝アスワンに戻り、出来ればその日中にルクソールまで行こうと思っていた。

しかしその日、リアルエジプシャンをまざまざと見せつけられることとなった。




朝チェックアウトしてバス停に向かう。アブ・シンベルまでは大型のバスで来たが、ミニバスが毎時
出ているということを聞いたのでそれに乗ることにした。

バス停に行き、そこにいた警官にアスワン行きのミニバスを聞く。
しかし運悪く今さっき出てしまったとのこと。
1時間待つかって思ってたら1分後、その警官が

「おい!ただで行けるぞ!」

といい、アスワンへ帰る中国人のツアーバスに乗せてくれた。

一応バスに乗る前に確認。

「ただでいいんだよね?」

「もちろん!」


ラッキー!しかもかなり快適なバス。でも相手はエジプシャン。信用できねぇ・・・。


途中バスが故障して立ち往生しているフランス人ツアー客も同じバスに乗り込んできたりしながら3時間半後
アスワンに到着。バスを降り、駅へ向かおうとするとこれまた予想通り・・・・・・

「30ポンド払え!」

「ハ?なんで?お前ただって言ったじゃん!」

「300kmも離れてる場所に連れてきたんだぞ!
30ポンドくらい払え!」

確かにもっとボロいバスで、2人で片道50ポンド。割安ではある。

「ハイハイ。金の亡者が!!おつりあんだろうな?」

あると言うので50ポンド札を出す。おつりをくれないとムカつくので、おつりを出せというと10ポンドしか
持ってないらしく、やっぱり40ポンドだと言いだした。

そこで登場地元人!アラビックでドライバーに何か言っている。どうやらオレたちを助けてくれているようだ。
(しかし後々こいつもうざい。。。)

しばらく
ドライバー VS オレたち + 地元人
で言い合っていたが、ドライバーがオレの50ポンドを奪い、10ポンドを押し付けバスに乗り込んでしまった。

「バスのナンバーをメモれ!!」

地元人がそういうので読みづらいアラビア数字を必死でメモ。

「よし!ツーリストポリスへ行くぞ!!」

という。ツーリストポリスか。まぁ40ポンドでも正規の料金より安いけど、ムカつくし、電車の時間まで
暇だし、とりあえず行ってみっかってことで行くことにした。


そしてツーリストポリスへ向かおうとすると・・・

「よし!これに乗れ!!」

と言い、彼は馬車に乗り込む。

「え?いいよ歩くから。馬車高いんだろ?」

「遠いし、これはただだ!乗れ!」

「エジプシャンがただで行くわけないだろ!
今回もそうだ!っていうかお前誰?」

「お前のフレンドさ(^ ^)」

「・・・・・・いいよ歩くから。ありがとな。」


彼をおいてそそくさと歩く。すると後ろから馬の足音が・・・。

「乗れ!ただでいいから!!」

なぜか彼が馬の手綱を握り、馬を操っている。なんなんだこいつ・・・。

「・・・・・・いいから。っていうかお前何者?」

「お前のフレンドだよ(^ ^)b」

「・・・・・・いいよ。エジプシャン信用できねぇよ。」

「オレを他のエジプシャンと一緒にすんな!乗れ!!」




こんなやりとりを歩きながら15分程繰り返し、彼は諦めたのか・・・

「じゃぁツーリストポリスの前で待っているから。
オレの顔忘れんなよ!」


っと言って行ってしまった。こいつもうざかった。。。


さらに15分程歩きようやくツーリストポリスに到着。地元人の姿は・・・・・・・・・・・・あるわけない。




ツーリストポリスで最初に出てきたおっさんに事情を説明。何度も朝からの出来事を説明するが・・・

「ごめん。何言ってるかさっぱりわからない。」

・・・・・・オレの英語がダメなのか。ヤツの英語がダメなのか。はたまたヤツがアホなだけなのか。

らちが明かないので他のおっさんが出てきた。また同じことを説明する。

「なるほど。そういうことか。」


やっぱり最初のおっさんがダメだったらしい・・・。

さらに奥から偉そうなおっさんが出てきた。またまた同じことを説明する。

「車のナンバーとか覚えてるか?」

「もちろん。アラビックだから自信ないけど、たぶんこれだ。」


すると調べてくれ、すぐにどの会社のどの車か特定できたようだ。どうやら毎日、どの会社のどのバスが
どのツアーをどこへ連れて行っているか届け出ることになっているらしい。うざ男に感謝。


その後上の階に通され担当者が電話をしてくれた。10分後、そのドライバーの会社の人が現れた。

「申し訳ない。うちのドライバーが失礼をした。
50ポンドは返します。これでいいですか?」



そこでまたカチンときた。金を返せば終わりだと思っていることに腹立ち、さらにたかだか
50ポンド(1,000円弱)を必死で返してもらおうとしているオレってどうなんだ??って思っていたので、

「金は問題じゃねぇ!問題はそのドライバーだ!!
なんであいつはいないんだ!!なめてんのか?」


とまくしたてる。

「毎日こんなことが繰り返されているに決まってんだ!
他にも被害者はたくさんいるはずだ!あのドライバーの
免許を取り消せ!それでも許さねぇけどな!!」


ツーリストポリスの担当者もそこまで言うか?って顔をしていたが、とりあえずそのツアー会社の人は
何度も誤ってきた。

「申し訳なかった。でもこんなこと初めてなんだ。
今までこんなことなかったんだ。」

「そんなもん被害者が届け出てねぇだけに決まってんだろ!!
あのクソドライバーの免許を取り消せ!!」







異国の地で、1,000円を取り返すために、鬼のような目でまくしたてる日本人に、
あまり自分の非を認めない(らしい)エジプシャンが、必死に誤っているので許してあげることにした。
(何様だ?オレ。。。)




っとまぁこんな感じで暇をつぶしたわけです。
(別に1,000円ほしかったわけじゃないよ。暇だったから。)




その日の内にルクソールまで行こうと思っていたので、駅で正確な時刻を調べる。どうやら1時間半後に出るようだ。

チケット売り場の最後部に並ぶ。チケット買って飯でも食おう。

10分後・・・・・・・・・・・・列に変化なし・・・・・・
20分後・・・・・・・・・・・・列に変化なし・・・・・・
30分後・・・・・・・・・・・・列に変化なし・・・・・・


「どうなってんだ!!
1人に何時間かけてチケット売ってんだよ!!!」


その日は朝から2人でポテトチップス1袋しか食べてなかったため、腹も減りまくり。先に飯を食うことにした。


コシャリ屋へ入る。2日前に食べた肉入りコシャリがうまかったのだ。

「肉入りコシャリ2つ。」

1分後出てきた。でもこの前のコシャリとなんか違う。とりあえず食べてみた。


「レバーじゃねぇか、これ!お〜い。
肉入りじゃなくてレバー入りだぞこれ!」

「え?そんなことないよ。肉入りよ。」

「レバーだって〜の。食ってみろよ!」

「・・・・・・いや、これは肉よ!」

「お前もクソエジプシャンか!!さっさと肉入り出せ!!」

「だから肉入りよ!これ!!」

「・・・・・・もう疲れたよエジプシャン・・・
もういいよ・・・コーラだけ飲むから・・・」



そしてコーラを飲み、コシャリを丸々残して会計を済ます。すると店のねえちゃんは・・・

「ごめん。あれレバーだったわ。間違えちゃった。」

「だろ?言ったじゃねぇか!ふざけんなよ!
レバーの方が安いんだからおつりもっとよこせ!!」

「・・・・・・いや、やっぱりあれは肉入りだったわ!」

「うせろボケ!!クソエジプシャン!!」



いいかげん疲れてきた。(このブログを書くことにも疲れてきた。)
さっさとチケット買って電車乗ろう。(もうすぐ終わらそう。)


そして駅へ行き列に並ぼうとする。しかし・・・・・・




列に変化なし・・・。。。




「もういいよ。電車の中で買えるだろ・・・。」

そして電車に乗り込む。程なくして車掌が現れ、チケットを買うことができた。

「ルクソールまで2人でいくら?」

「65ポンド(紙に書いてくれた)。」

「ハイ70ポンド。」

「OK。おつりは・・・・・・
1ポンド札1枚・・・2枚・・・3枚・・・・・・
5ポンド札1枚。」

「ん?おつり8ポンド?」


すると車掌はオレの肩をポンっとたたき行ってしまった。

なんなの?ボロうとしたの?でもやっぱりやめたの?ボるの少しだけにしたの?
それとも算数苦手なの??・・・もういいよ・・・今日は疲れたよ・・・。



そんなこんなで3時間後、ルクソールに到着。リアルエジプシャンをまざまざと見せつけられた1日だった。

注)いい人もいますよ。ごく僅かですが。念のため。
(普段観光客と接点がないような人は親切です。)

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