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22/10/2008

セルチュクにきた。

長かったヨーロッパを抜け、イスタンブール、チャナッカレと移動し、セルチュクまで来ました。

トルコはヨーロッパに比べて宿代も安いし、飯も安いので、体重を戻すべく毎日ケバブ食いまくり。
円高もあり、ケバブ1つで100円から200円程度。いやぁヨーロッパさようなら。
でも遺跡などの入場料が意外に高い。いやぁヨーロッパのようでムカつく!

でも1つ気になること。それはトルコはヨーロッパなのか?中東なのか?ってこと。

そこで現地人に「トルコはヨーロッパなの?中東なの?」って聞いたら「わかりません!」っと
自信たっぷりに返ってきた。なんかヨーロッパぽいけど、イスラム圏なのでホームページ上は
中東ということにします。


さてトルコといえばトルコ絨毯。そう、トルコには絨毯屋が無数にあります。街を歩いていると
必ず声をかけてきます(絨毯屋に限りませんが・・・)。
1枚数万円から数百万円するこの絨毯。買うわけないオレたちにもいちいち声をかけてくる
(しかも日本語で)ので、ちとうざい。。。そしてこの絨毯屋。イスタンブールの宿にあった
12年前の地球の歩き方によると、かなりのトラブルメーカーらしい。高く売りつけたり、
カードの会計で0を1個増やしたり、日本へ郵送すると言ってしなかったり・・・。

かなり古い情報とはいえ、一応警戒してました。

でもセルチュクで会った絨毯屋。このおじさんは一味違った絨毯屋でした。


日本語ぺらぺらのそのおじさんは、年に3〜4回日本へ行くらしく(もちろん絨毯売りに)、
当然日本語で話しかけてきた。


「君たち日本人っぽい歩き方してるねぇ。」

「いやいや昨日も話しかけてきたでしょ、おじさん。」

「あぁ〜昨日の。そうかそうか。まぁここに座って。ビールでも飲む??」



ムムッ!?オレを酔わせて絨毯を売る気だな。その手には乗らんぞ!!



















「いただきます!!!」


しまった!!反射神経がよすぎて即答してしまった!まぁいい。どうせ買わない(買えない)んだから。


おじさんは絨毯についてかなり詳しく説明してくれる。絨毯に全く興味のないオレでもその奥の深さに
感心せずにはいられなかった。


「でも私は酒飲んでいる人には絨毯売らないよ。だから君たちは今日は買えない。」


「そもそも買うつもりもないけど、
このビールはおじさんに勧められたものなんですが・・・」






1つ聞いてみた。

「今までで『この絨毯はすばらしい!!』って絨毯、ありました?」

するとおじさんは語りだした。





「今までで1枚だけ。ある村に行って仕入れてきたんだけど、
そんなに高いものじゃなかった。でも私にとっては
ものすごくいい絨毯だった。ガラとかその絨毯の価値とか、
そういうことではなく、私を引き付ける何かがあったんだ。
その後、その絨毯を売ってほしいという人が何人もいた。
でも、例え100万でも1000万でも決して売らなかった。
私にとっては、お金に代えられるものじゃなかったから。
でも、ある日本人女性にあげてしまったんだ。
その人にものすごくお世話になったから。
私にとっては妹のような存在だった。
その人が結婚するとき、その絨毯をプレゼントしたんだ。
だってそうだろう。私にとってはその絨毯より、
その女性の幸せの方が、ずっと大切なんだから・・・。」





「うおぉぉぉめちゃくちゃいい話じゃないですか!!!
ウルっときましたよ。絨毯買っちゃおうかなぁぁ!!!」






いや待て。その手には乗らん。危うく買いそうになってしまった。


しかしその後、絨毯の話などほとんどなく、自分の生い立ちや、日本の祭りでケバブを売ったときの
話などを面白おかしく話してくれた。仕事終わりにバーにも連れて行ってくれまたごちそうになってしまった。

翌日のバスのチケットを予約しておいたが
「1日滞在延ばしたら?ドライブでも行こう。」
というおじさんにしたがい、バスをキャンセルし、翌日ドライブにも出かけた。

海へ行ったり、知り合いの店でチャイをご馳走になったり、バーベキューしたり・・・。
めちゃくちゃ楽しい思い出ができた。


他の絨毯屋がどうか知りませんが、そのおじさんはかなりのいい人でした。日本に来たら
ぜひ家にも招待したい人です。
(でも絨毯は買わない。)

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